取材日:2021/03/29 

「国際学部の扉」の中心として活動してきた4年生(17KS)、黒木和美さん、グラナダ将奈三さん、佐藤彩音さんが卒業するにあたって、今までの活動についてお話してもらいました。

▽国際学部の扉はどのような活動内容をしていますか?

黒木さん:国際学部の学部生が国際学部の教授、卒業生、在学生にインタビューをして、国際学部について紹介するWebマガジンを作成しています。

グラナダさん:国際学部の過去と現在と未来が分かる場所とも言えるね。

黒木さん:かっこいい言い方だね(笑)

佐藤さん:国際学部には、パンフレットだけでは伝わりきらない魅力がたくさんあるなって感じてて。どんな学部なのか、どんな人がいるのか、インタビューを通して国際学部の「リアルな姿」を発信できるようなサイトを目指してきたよね。

黒木さん:うんうん。在学生や卒業生に、現在の国際学部をお伝えする事はもちろん、受験生に向けても、オープンキャンパスで得られる情報を、常に提供できる場所を作りたいなと思って活動してきました。

▽“Democracy Web”から「国際学部の扉」にリニューアルした経緯を教えてください。

グラナダさん:「国際学部の扉」は元々、“Democracy Web”という団体でした。この団体は、国際学部卒業生の本田さんの「教授の方々の社会問題に対する見解を知りたい。」という思いから設立されました。
先生方にインタビューしていく中で、教員紹介はある程度順調に進みましたが、時事問題は先生の専門分野だったので、学部生の私たちが質問を考える事が難しく、あまり上手く進みませんでした。

黒木さん:創設者の本田さんは大学院進学を目指していて、「アカデミックな記事を作りたい。」と考えられていましたが、集まった学部生は1,2年生でした。
なので、大学院に進むために本田さんが“Democracy Web”を辞めてしまった時、私たち学部生は、アカデミックな記事の作り方が分からなくて。色々試してみたけど、結局どうしようもなくなっちゃったんです。
私たちが無知だったので、先生方に失礼な質問をしてしまって、ご指摘をいただいた事もありました。当時の私たちは、この状況を打破する方法が分からなかったので、活動が下火になり、約半年ほど活動が止まってしまいました。

グラナダさん:活動が止まった原因はもう1つあります。今は辞めてしまったメンバーの1人で、本田さんから編集長を引き継いだ学生がいました。本田さんが辞めて彼が編集長になった時から、これからの活動について、誰のために、何のために残すのか、どうやったらもっと学生が読んでくれるかを考えていました。
ですが、彼は留学で活動を辞めざるを得ませんでした。本田さんにも期待されていた彼が居なくなった事は、私たちにとって大きな喪失でした。また、私は「つまらない、辞めたい」という思いが強くなってしまって、活動に消極的になりました。

黒木さん:ですが、4年生の春学期に、広報担当の先生方から「来年度リニューアルする国際学部のホームページに、“Democracy Web”のリンクを貼るのはどうか。」とご提案していただいたんです。これがきっかけとなって、再び活動を始めて、改めて“Democracy Web”と向き合いました。
先ほども言ったように、“Democracy Web”では、アカデミックな記事のみを投稿していたんですよね。ホームページ自体も白黒赤を基調とした固い印象でした。そこで、学生や高校生がもっと親しみを持てるWebマガジンにしたいと思い、名前を「国際学部の扉」に変え、ホームページを一新することにしました。
そして、国際学部の魅力を色んな角度から発信できるように、先生方だけでなく、卒業生や在校生にも焦点を当てたコンテンツ作りを進めました。

▽なぜこの活動に参加しようと思ったのですか?

グラナダさん:1年生の冬頃からYISA(横浜国際学会)の活動に参加していて、2年生の秋に本田さんに声を掛けてもらいました。当時は、バレーボールのサークルしかやっていませんでしたし、ジャーナリズムに特に興味があったわけではありませんでしたが(笑)、面白そうだなと思いました。その上「給料も出るしやってみない?」とも言われたので、やってみようと思いました。ですが、ちゃんとした説明をされた会議で「アカデミックな記事を作る。」と言われた時には、自分の居場所ではないと思ったのを覚えています(笑)

黒木さん:私は、必修の授業が一緒だったグラナダさんからこの活動に誘われて、“Democracy Web”創設時の会議に参加しました。私は、サークルに入っていなかったので、「サークル活動みたいで、面白そうだな。」と思いました。
また、1年生の夏からオープンキャンパスで、国際学部を紹介するスタッフをやっていたので、「この活動に参加したら、より多くの方に国際学部の魅力を紹介できるのではないか?」と思い、活動を始めました。

佐藤さん:私もサークルに入っていなかったので、「何かやりたいな。」という思いが1年生の頃からずっとありました。そこでYISAの会議に参加してみましたが、1年生だった私は積極的には関われませんでした。2年生になった時、黒木さんからこの活動がスタートすると聞いて、最初の会議になんとなく参加したところ、気付いたら活動を始めていました(笑)なので、最初は「ライターになりたい!」という思いよりも、「何かしたい!」という思いがきっかけでしたね。

▽活動が休止状態になって、なぜこの活動を再び始めようと思ったのですか?

グラナダさん:活動を休止していた期間は、「アカデミックなんて無理だ。」と思ってました。やる気が無くなってしまって、辞める事も考えました。ですが、辞める事をメンバーに止められ、「このまま辞めるのは違うな。」と。「どうせなら辞める前に何かしたい!」と思いました。せっかくやってきた活動だから、形を変えてでも誰かが引き継げるような土台は作っておきたいと思い、続ける事を決めました。

黒木さん:“Democracy Web”時代は、今感じている活動の面白さをあまり感じていませんでした。ですが、活動が下火になり皆辞めてしまいそうになった時、私は「この活動が無くなってしまうのはもったいない。」と思い、グラナダさんと佐藤さんが辞めないように引き止めました。自分自身もあまり活動していない上に、活動の将来像なんて全く考えていなかったのに、1人で続けるのは無理だと、2人を強引に引き止めたんですよね(笑)

佐藤さん:私は活動が休止状態になる前に、ゼミに焦点を当てた企画をやりたいという思いがありました。それを実現できるならという事で、なんとか踏みとどまりました(笑)

▽活動の魅力はなんですか?

佐藤さん:自分たちが「国際学部の扉」として方向を変換してから、自分のやりたい事をできた事です。パンフレットだけでは伝わらない、ゼミ生や先生方の個性を、上手く伝えられているのかなと思います。SNSでの発信も楽しみながらできました。

グラナダさん:私は2つあるんですけど、1つ目は、先生との関係をたくさん築けた事です。学校で先生とすれ違う時に、授業を受けているだけの先生だと話しかけにくいですが、インタビューした先生には「インタビューの時はありがとうございました。」といった会話が生まれて、そこからまた話が繋がっていくこともありました。
このような活動を通して先生方に認知してもらっていたので、卒業式ではたくさんの先生に話しかけてもらいました。普通の学生生活を送っていたらこのような機会はなかったと思います。
2つ目は、チームの運営や自分たちのやりたいことを形にしていく事が楽しかったです。「国際学部の扉」になってから、黒木さんと佐藤さんとこれからどうやっていくか、その仕組みを考えたり、いい点、悪い点について繰り返し話し合いました。無駄な話をしていた時間もあったけれど、そういった時間も含めて、自分たちで考えたことを形にすることが楽しかったですね。

黒木さん:私は、「明学の国際学部に絶対に入りたい!」と思って受験し入学できたので、高校生の皆さんにも、私のように自分が一番入りたい大学に入ってほしいと思っています。それが明学国際だったらとっても嬉しい事ですが、明学国際じゃなくても全然良いと思っているんです(笑)
でも、「本当に入りたい大学」を決めるためには多くの情報が必要になりますよね?なので、その判断材料を少しでも提供できれば良いなと思っていました。そのため、活動を通して国際学部の魅力や生の声が伝えられた事に満足しています。
授業以外でも先生方とお話しする機会をいただけた事や、卒業生の方や多くの学生とお話しできた事、この活動をしていなければ出会わなかった方々にお話を聞けた事などは、国際学部が好きな私にとって魅力的な環境でした。
また、誰に向けてどういう記事を作るか、そのためには誰に話を聞きに行くべきか、どういう構成にしていくかという事を学生だけで考えて形にできた事は、とても良い経験でした。下級生の皆さんが、私たちが作った形を続けてくれる事は有難いですし嬉しい事ですが、新しく入ってきてくれる皆さんは私たちが作った「今の形」に拘らず、国際学部の魅力を伝えるために必要だと思う記事を、自由に作っていってほしいなと思います。
そして、学生スタッフとして4年間オープンキャンパスに参加した事や、「国際学部の扉」の活動にも参加した事を評価していただき、卒業式で「学生活動貢献賞」を受賞させていただきました。明学の国際学部に入りたいと思って入学し、国際学部の魅力を伝える活動を行っていた事が、最終的にこのような形で評価していただけて、とても嬉しかったです。

佐藤さん:そういえば就活でも役立ったかな。WebサイトやSNSの運営経験は、入社する会社にも評価してもらえた部分でした。それと、ゼミの先生から文章力を評価していただけたのは、すごく嬉しかった(笑)先生や卒業生の方にインタビューをした事で、色々な言葉を知れて、校正でも文章を書く力が鍛えられたね。卒論は、正しい日本語で書くことが大前提になるから、こうした経験がとても役立ったと思います。

グラナダさん:そうだね。ゼミの先生から、メールで「グラナダさんは素敵な文章を書きますね。」と褒めてもらったこともあった(笑)
文章が上手くなっているっていう自覚はないけど、この活動をやっていたから、流れを論理立てて、読みやすい文章を書く力が付いたと思う。