取材日:05/10/2021
「MG Closet」の活動について、文学部のT.Hさん、M.N.さん、K.N.さん、国際学部のM.S.さん、他大学のY.S.さんに座談会形式でインタビューしました。
▽「MG CLoset」ではどのような活動をしていますか?
T.H.:『The True Cost』という映画を見て、ファストファッションの裏側にある環境問題や労働問題に目を付け、多くの人に問題について知ってもらうために活動しています。活動を始めた1年目には大学のボランティアファンド学生チャレンジ(ボランティア活動への奨学金)を用いてファッションショーを開催しました。2年目となる昨年はSNSを通じて活動についての情報を発信しました。今年はSNSの発信に加え、より多くの人に問題を知ってもらうため、小中学生などにも環境問題や労働問題を説明する機会を設ける活動をしています。
▽なぜこの活動に参加しようと思ったのですか?
M.N.:私は元々洋服が好きだったので、ボランティア活動が有名な明治学院大学で、服に関するボランティア活動ができるところをSNSで探していました。MG ClosetのおしゃれなInstagramでこの活動を知り、高校生の時から興味のあったファストファッションが引き起こす社会問題を扱っていたので、自分にピッタリなサークルだと思い参加を決めました。このサークルを通して、ファッションの楽しさだけでなく、私たちがファッションを楽しんでいる裏側では傷ついている人がいることを多くの人に広めていきたいと思っています。
K.N.:私自身ファッションが大好きでファストファッションを取り入れている身なので、この活動を通してファストファッションが引き起こしている問題を自分の身近に感じることができると思いました。より多くの人にファッションが引き起こしている問題や、ファッションの良さを伝えていけたらうれしいです。
K.N.:高校生の時からファストファッションを身につけていましたが、それが労働問題や環境問題に繋がっていることを知り、大学生になったらその問題の解決に貢献したいと思っていました。大学入学後、MG Closetの活動を見つけたので活動に参加することを決めました。
T.H.:ボランティア活動ができるサークルを探していたとき、創設者の方からMG Closetのチラシを頂いたことをきっかけに活動に参加しました。活動に参加した当初、私はファストファッションを身につけていましたが、服についてあまり関心はありませんでした。今はファストファッションが引き起こす問題について多くの人に知ってもらいたいと思い、活動しています。
▽活動の魅力はなんですか?
K.N.:自分たちでファッションが引き起こしている社会問題について発信しているので、そのための知識を得る機会になることはこの活動の魅力です。ファッションショーや雑誌を作る活動は、社会問題と常に隣り合わせで考えなければならないことです。サークルとしての活動ですが、社会勉強になることを楽しく学ぶことができるのは活動の魅力です。
M.N.:サークルの規模が小さいので自分の意見が通りやすいことが挙げられます。しかしその分責任をもつことになるので、マネジメント力やリーダーシップを身につけられること活動の魅力だと思います。
M.S.:Instagramを見た周りの友達がMG Closetの活動を知り、ファストファッション
の問題に興味を持ってくれたことにやりがいを感じました。
T.H.:自分がやりたいと思ったことを形にできる場所です。

▽印象的だった出来事を教えてください
T.H.:2年目にオンラインシネマを開催し、集客のために友達に声を掛けましたが、人が集まりませんでした。しかし、別のイベントで声をかけたときにはたくさんの友達が参加してくれました。私が普段Instagramで活動を発信していることを認められた印象的な出来事でした。
M.N.:「i_ was.Fishonshow」という漁網を使ったファッションショーの衣装製作で、12着を3日間で作らなければいけなかったことが印象に残っています。一から服を作ることは資源の消費になってしまうので、1年目に校内で回収した古着をリメイクしてファッションショーの衣装に使い、さらに漁網でリメイクして衣装を製作しました。閉鎖した漁網を作る工場で余っていたものを再利用し、新しいものに変えていくという活動をする団体とコラボし、衣装に使う漁網を手に入れました。

K.N.:私が初めて携わったイベントが「i_ was.Fishonshow」だったので、とても印象に残っています。コロナ禍でコラボした相手の方とのコミュニケーションをとる方法がオンライン上のみになってしまったので、オンライン上でのやりとりで衣装を作り、構成を考えていくことが大変でした。実際に自分たちが作った衣装をモデルの方に着て歩いてもらったところに「自分が作ったんだな」という達成感がありました。
▽活動がコロナ禍によって変わったことはありましたか?
Y.S.:私は他大学から参加しているので、コロナ禍でオンライン上で繋がるツールがなかったら、この活動に参加していないと思います。また、「i_ was.Fishonshow」のコラボ相手の方が遠方の方だったので、オンラインツールが発達していなければ成り立ちませんでした。オンラインツールを活用することにより、コロナ禍でも活動の幅を広げることができました。
M.S.:Y.S.さんの言う通り、今までよりも多くの方と繋がることができ、活動の幅が広がりました。今年はファストファッションの問題を小中学生に教えに行く予定ですが、コロナの影響で訪問先の学校や日時が決まらず、思うように活動ができないことにもどかしさを感じています。
▽学生へのメッセージ
M.N.:ファストファッションを買うのは悪いことではないですが、それを大切に長く着ることが労働者にとっても地球にとっても大切だと思います。このことを少しでも頭に入れて、買い物やファッションを楽しんでほしいと思います。
M.S.:毎シーズン、雑誌やテレビを通して流行りのファッションはすごい速さで変わっていきます。しかし、その流行に流されずに、「自分が着たい」、「自分の色を表せる」洋服を着て、自分だけのファッションをつくっていってほしいです。
K.N.:ファストファッションを自分たちの生活からから切り離すことは難しい事と思うので、買ったからには大切にしてほしいです。オーガニックコットンやサステイナブルなファッションが注目されているように、地球にやさしい洋服があることも知ってもらいたいです。
Y.S.:まずはファストファッションの問題を知ることから始めてほしいです。ファストファッションを買わないこと、労働問題について自分から発信することは難しいと思いますが、問題を知ることがその後のアクションにつながる最初のステップです。問題を知ることでファストファッションを買わないようにする、古着を買うなど選択肢ができるので、まずは問題を知ってみてほしいです。
T.H.:この記事を読んで社会問題に興味を持ってくれた方がいたら、友達とファストファッションの問題について話したり、頭の片隅に置いてもらえると、私たちの活動の目的達成への一歩になると思います。