取材日:2024/07/19
▽明治学院大学国際学部に入学した理由を教えてください。
世界史や現代史の教科書には、多くの戦争や紛争の出来事が載っています。それらの出来事は、私が生まれる何十年もしくは数年前に実際に起こったものであり、世界でどのようなことが起きているのか、そしてその背景についてもっと深く学んでみたいと強く思いました。そのため、国際的な視点から世界の出来事を理解し、自分自身の視野を広げたいと考え、明治学院大学の国際学部への入学を決めました。
▽大学生活を通して印象に残っていることはありますか?
大学生活の中で一番印象に残っているのは、スイスへの旅行です。大学3年生になり、新型コロナウイルスの影響が徐々に和らぎ、友人たちが次々と海外に行き始めました。私もその流れに触発され、挑戦してみようと決意し、大学3年生の9月にスイスに行きました。
▽大学に入学してから今まで、どの国に、どのくらいの期間行きましたか?
最初に海外に行ったのは、大学2年生の後半に父親と一緒に行ったベトナムです。その後、スイスに一人で行きました。さらに、ゼミの校外実習でドイツにも行きました。その後、オーストラリアに3週間ほど、ジョージアには1か月間滞在しました。最初のベトナム旅行も印象的でしたが、特にスイスの旅行は大きなインパクトを与えてくれました。スイスの旅行を通じて、私は自分がサバイバル気質に向いていることに気づき、自信を持つようになりました。
▽スイスの旅行はどのくらいの期間行っていましたか?
スイスには10日間滞在しました。旅行にしては長めの期間だったと思います。それまで海外旅行の経験がほとんどなかったため、まずヨーロッパに一人で行くこと自体が私にとって大きな挑戦でした。父も10日間の滞在を不安に感じていましたが、最終的にはこの経験が私にとって大きな成長の機会となりました。
↑スイスの写真
▽スイスで経験した楽しいことや苦労したことはありましたか?
スイスでは主にホステルに泊まり、様々な国の人々と一緒に過ごす機会がありました。普通の旅行では出会うことのないような人たちとも関わることができ、非常に貴重な体験でした。特に印象的だったのは、自分が英語で話すことが意外に得意だと気づいたことです。最初は英語を話すのが苦手だと思っていましたが、一人で現地に身を置いてみると、意外と何でもできるという自信が芽生えました。この旅行を通じて、私のサバイバル能力が大いに磨かれたと感じています。また、スイスの美しい景色も大きな魅力で、もう一度訪れたいと思うほど心に残る場所となりました。
▽ゼミでドイツに行き、どのようなことを感じましたか?
ゼミでは、ユダヤ人の歴史について学びました。特に、シンティ・ロマという少数民族について調査しました。彼らは差別的な意味合いを持つ「ジプシー」と呼ばれてきましたが、実際には多様な人々がいて、普通にドイツ人として生活している人もいます。この調査を通じて、彼らが直面している現状を理解し、固定観念や偏見の危険性について考える機会になりました。
↑ドイツの写真
▽オーストラリアでの経験を教えてください。
オーストラリアでは、ただ観光するだけでなく、新しいことに挑戦したいという思いがありました。最初にシドニーを訪れ、その後メルボルンへと移動しました。オーストラリアは中心部が砂漠で、私はあまり人が挑戦しないようなことに挑みたいと思い、砂漠地帯への旅を計画しました。
砂漠へはバスや電車を使って、約3日間かけて移動しました。都市から都市へと移動し、最終的には田舎町に到着しました。しかし、そこから先は公共交通機関がなくなり、引き返すか車を使うしか選択肢がありませんでした。同じ道を戻ることに抵抗があった私は、挑戦心からヒッチハイクを試みることにしました。
ヒッチハイクは、思っていた以上に難しいものでした。最初は都市の中心部で試みましたが、1時間以上誰も止まってくれませんでした。途方に暮れながらも、中心部から少し離れた場所で再挑戦し、ようやく車を拾ってもらうことができました。目的地はアデレードという都市で、そこまで約500キロメートルもありました。運転手の方は親切にも、私を一泊自宅に泊めてくれ、翌日アデレードまで連れて行ってくれました。親切な運転手に「悪い人もいるから、ヒッチハイクは危険だ」と注意を受けましたが、その経験を通じて自分のサバイバル力を試すことができたと思います。
その後、オーストラリアの東海岸に戻り、ゴールドコーストなどの都市を訪れました。この旅を通じて、ただの観光ではなく、何か新しいことに挑戦することで得られる充実感を感じました。また、オーストラリアの多様な自然環境や文化にも触れることができ、非常に豊かな経験を積むことができました。ワーキングホリデーに参加する予定だった私は、この旅で得た経験が将来に生かせると感じました。
↑オーストラリアの写真
▽今年の5月から6月にかけてジョージアに1か月滞在していましたが、どのような目的で行きましたか?
ジョージアでは日本人が主催するオンラインでの仕事・スキルを体験するワークショップに参加しました。ジョージアの首都トビリシで、ホームページの制作や、動画編集、ウェブライターの仕事などを学びました。これらの経験を通じて、将来のキャリアを具体的にイメージすることができました。
▽1か月間ジョージアで生活してみて、ジョージアはどのような国だと感じましたか?
ジョージアは、ヨーロッパの中の東南アジア、あるいは中東に近い国という印象を受けました。首都のトビリシはヨーロッパ的な街並みがありつつも、インフラがまだ発展途上で、交通機関も定期的に運行されていないことが多かったです。しかし、物価が非常に安く、特に食材費や家賃は他のヨーロッパ諸国に比べてかなりお得でした。また、自然も美しく、特に都市から少し離れた場所にある湖がとても印象的でした。
↑ジョージアの写真
▽ジョージアに1か月滞在して良かったことや習得したことを教えてください。
ジョージアでの一番の収穫は、将来に向けた具体的なアドバイスをいただけたことです。ワークショップを通じて、日本人コミュニティの方々とつながることができ、彼らから多くの刺激を受けました。また、自分が今後どのような道を進むべきかについて、より明確なビジョンを持つことができました。
↑ジョージアの写真
▽あなたにとって国際学部とは何ですか?
国際学部は、自分が何をやりたいかまだ明確でなくても、自分の興味に応じて専門性を高めることができる場所です。明治学院大学の国際学部では、経済や教養に関連する分野での学びの機会が豊富にあります。私にとって、この学部での経験は、自分の海外での活動と密接に関連しているわけではありませんが、学びの幅を広げる上で大いに役立ちました。
▽読者へのメッセージをお願いします。
大学生活は、時間に余裕がある時期です。だからこそ、自分が本当にやりたいことや、興味を持っていることに積極的に挑戦し、自己投資をしてほしいと思います。大学時代にさまざまな経験を積むことで、自分の将来に役立つスキルや知識を身につけることができると信じています。
〇恒川竜典
