▽活動は国際学部での学びや経験とどのように繋がっていますか?
私は高原孝生先生のゼミに所属したのですが、このゼミの経験が一番大きかったです。校外実習で沖縄と広島に行ったのですが、やはり様々な活動と共通して感じたのは「現地に行く大切さ」です。現地に行くと、問題と自分のの距離が近くなるような気がしました。机の上での学びや議論ももちろん重要ですが、現地に行ってそこで生きている人に会うからこそ感じる「肌感」を大切にしたいと思っています。
先生が校外実習に行く時に仰っていた「ただ景色を見るのではなく、人と会う事を大切にしてください。」という言葉が印象に残っています。ゼミでは現地で出会う人を「リソースパーソン」と言います。ここで出会った方々と、これからもずっと関係を続けられると良いなと思っています。

沖縄に行く前までは「基地問題」と「沖縄戦」をバラバラの問題として考えていました。でも、沖縄の方は皆さん、沖縄戦から基地問題までを「一直線の問題」としてお話されていました。また、本などには書かれない「辺野古で新基地建設の反対運動をしている方と米兵との対話や交流」を知る事ができました。これらは県外だけでの勉強では気付けなかったなと思います。
また、沖縄の人たちは皆さん優しい方だったのですが、「ゆいまーる」という沖縄の人同士の繋がりの強さを良いなと思った一方で、県外から来たの私たちとの隔たりを感じる事もありました。ですが、それは「琉球併合(処分)」から今に至る歴史の上で県外から押しつけてきた「壁」なのだと思います。だからこそ、県外にいる私たちが向き合わなければいけない課題だと思いました。
でも、現地に行ったからこそ「社会問題を現地の問題」として考えてはいけないと考えるようになりました。地方新聞では問題を大きく報道しても、全国紙ではほとんど報道しないなど、私たちは多くの社会問題を、「地方の問題」として認識してしまい、その問題について考えることを終わらせてしまう事が多いのではないかと思いました。そこから「自分が暮らしている場所で問題を発信する」重要性を意識するようになりました。


私は大学生になってから、アジア諸国に興味を持つようになったのですが、ベトナムやミャンマーはもちろん、韓国や中国にもスタディーツアーなどで行った事で、「日本との歴史」に注目するようになりました。具体的に、高校までは日本の戦争被害だけしか見えていなかったのですが、日本がアジア諸国の人々に対して犯したことについても見えるようになりました。
同じように、高校までは「『外国人(日本国籍を持たない方という意味で使います)』は国外に居るもの」と考えてしまうことが多かったですが、大学で学んでからは「日本国内に居る『外国人』」、例えば出入国在留管理局に収容されている人々や朝鮮半島にルーツを持つ友人について考えるようになりました。「外国人」について考える時、どうしても外に目を向けがちですが、国内に居る彼らがどのような問題に直面しているのかを知り、わからないことは学ぶ必要があると思いますし、国際学部の学生がもっと着目するべき視点なんじゃないかなと思います。

このように、授業や活動を通して「外」を見たからこそ、「内」について考えるようになりました。
▽活動がコロナによって変わった事は何ですか?
コロナ禍になってから、「Peace☆Ring」の活動がオンラインになり、全国の学生が参加してくれるようになりました。就活の時に出会った他大学の学生さんと「Peace☆Ring」について話す機会があり、その学生さんは基本的に毎週参加してくれ、今となっては何でも気軽に話せる友人です。また、沖縄で沖縄戦体験者聞き取り調査をしている他大学の友人が、ゲストスピーカーとして参加してくれたこともありました。彼ともオンライン上の別の交流会で知り合いました。
横浜キャンパスの8号館で明学生が対面で話し合う事も、とても魅力的でしたが、このように今までだったら想像もできなかった繋がりができたのはコロナの良かった面だと思っています。
また、私がもう一つ力を入れたこととして「CONNECT」の活動がありますが、これはコロナ禍にならなければ取り組んでいなかったことです。「CONNECT」は大学がオンライン授業となり、学費の全額支払いや授業環境に対して疑問を持った学生たちが集まり、立ち上げた団体です。そこでは、学生たちの声を大学側に届ける、繋げることを目的として、オンライン授業に関するアンケート調査を実施したり、学生自治会の設置に向けて夜な夜なメンバーたちと意見を交わしたりしていました。
学生の皆さんに協力していただいた回答は報告書にまとめ、学長や学生課などに提出していましたが、どれだけ影響があったのかは正直わかりません。ですが、学生側から声をあげることができたという経験、署名やアンケートを手段として実施するノウハウは、これから生きる上でも大きな自信に繋がったような気がします。

▽「私にとっての国際学部」とは
「真面目な話を真面目に話し合える場所」です。他大学の人と話すと、明学にはディスカッションできる場があり、それを教職員の方々がサポートしてくださる、先生方とも対等に話し合えるなど、「話し合う」環境が整っているなと感じました。例えば、大学で初めてクリスチャンの友人ができたとき、以前までは「宗教=怖いもの」と考えていましたが、一緒に宗教について話をする中で、彼らの価値観に触れ、宗教への意識も大きく変わりました。
高校までそのような場はありませんでしたし、きっと大学卒業後もないと思うので、貴重な時間だったなと思っています。大学卒業後はそのような場を自分で作っちゃおうと考えています(笑)こう思えたのもオンラインが普及したからこそですね。
戦争や政治、宗教のことなどを友人と話すのはハードルが高いかもしれませんが、国際学部には社会問題に興味を持ち、しっかりと自分の意見を持っている学生や意見を受けとめ、一緒に考えてくださる先生が多くいるので、そのような学生や先生方と話し合える場があって良かったなと思います。
▽学生や高校生へのメッセージ
やるかやらないか迷っている事は、個人的にはやる方をお勧めします。私も迷った時は「人生は一度だから、やらない選択をしてする後悔は一番もったいない。」と考えています。たとえ失敗しても、そこから何らかの学びに繋がるし、学生の間は何度でもやり直せる環境があると思います。
「とりあえず、やってみる、飛び込んでみる」精神は、強ち間違っていないんじゃないかなと今までの経験を通して感じています(笑)取り組んでみて壁にぶつかったらその時にどうするか考えれば良い、苦しくなったら、時には距離を置いてみたり、逃げても良いと思うんです。自分の中で大事なことだったらきっと再びやることを選択するはずです。
経済面や様々な条件があるので、全てが思い通りにはならないかもしれません。ですが、自分の選択肢の中で「自分が最善だと思うこと」を、自信を持って選んでほしいです。
また、今ある人間関係は大切にした方が良いと思います。もちろん、出会いはどこに転がっているかわからないので、大学内に拘る必要はありませんが、出会った方々とは、これから先の人生でも交流を持ち続けられると思うので、一つ一つの出会いを大切に生きてほしいなと思います。
〇杉野沙歩
1998年生まれ。2017年に明治学院大学国際学部国際学科に入学し、高原ゼミに所属。「JUNKO Association」「Peace☆Ring」「ヒバクシャと出会うカフェ」「CONNECT」の広報や企画、運営などを行う。
