取材日:2023/5/25

 

▽明治学院大学国際学部国際学科に編入した経緯を教えてください。

 高校を卒業後、アメリカのオレゴン州にあるコミュニティーカレッジ(2年制の短期大学)に通っていました。本来であれば2020年中に卒業し、現地で4年制の大学に編入する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響もあり、日本の4年制大学への編入を考えるようになりました。また、アジア人に対しての差別を実際に体験したり、スーパーの棚から生活用品が消えたりなど、アメリカでの生活を続けることに不安を感じるようになりました。その為、両親と相談し、一旦日本に帰国する事を決めました。

 しかし、日本の短期大学や日本の4年制大学から、別の4年制大学に編入するケースは聞きますが、海外の短期大学から日本の4年制大学に編入するケースはあまり聞いた事がありませんでした。その為、海外の短期大学からの編入ができる枠があまりなく、情報も少ないなかで、3校ほど大学を受験し、明治学院大学の国際学部に編入する事を決めました。

 

▽明治学院大学の国際学部に編入し、良かったと感じることはありますか?

 夢に見ていたアメリカの学校に進学し、新しい土地での生活を送る中で、日常会話の英語やコミュニケーションには特に問題は感じませんでした、一方で、学術的な内容を英語で学んでいくとなると自分の中にどこか限界を感じ、そこまで学習を深く掘り下げる事のできない歯がゆさを感じるようになりました。日本語が私自身にとっての母語なので、英語と比べた際により深い意味で学術的な内容を理解できるため、編入したことで知識や理解を深めることができ、編入前と比べ学びをより深めることができたと思います。

 明治学院大学にはユニークな学生が沢山いて、素晴らしい先生方がいらっしゃいます。また、様々な活動や機会に巡り合うことができるキャンパスだと思います。授業や国連でのボランティアへの参加等を通じて、日本という自分が生まれ育った環境を内側と外側から客観的に見る事ができるようになったと思います。コロナ禍での編入学で、通常とは違うことや不安もありましたが、明治学院大学の国際学部に編入し、学生生活を送ることができとてもよかったです。

 

▽海外に興味を持ったきっかけはありますか?

 私が通っていた幼稚園はキリスト教の幼稚園で、そこで出会ったドイツ人の家族と家族ぐるみで交流がありました。この経験が異文化を知るきっかけになりました。さらに、近所にアメリカ人の家族が住んでおり、その家族にも縁があり、英語を教えてもらいました。英語を話せる事で交流の幅が広がる事を実感しました。幼い頃から、洋楽を聞いたり、英語の本が家にあったりしたので、英語や自分とは異なるバックグラウンドを持つ人々との交流は比較的生活の中に溶け込んでいたと思います。

 

▽日本の大学に興味はなかったのですか?

 日本の大学に興味がなかったわけではないですが、英語圏で勉強したいという思いが強く、高校3年生の時には、日本の大学は1校も受験をしませんでした。

 幼少期から英語や海外に興味があった為、英語のカリキュラムが充実している高校に進学しました。仲の良い友人の一人がニュージーランドに1年間留学し、その友人に海外進学に関して相談したところ、海外の大学に興味があるなら、実際に海外に進学することを強く勧められました。しかし、海外進学となると、学費が高額な為、親を説得することが大変でした。また、アメリカに進学するとなると数多くの大学があるので迷っていたところ、担当者が新宿で説明会を開催するレーンコミュニティーカレッジという短期大学を見つけました。その説明会に参加し、レーンコミュニティーカレッジは留学生が多く、支援がしっかりしている事を知り、レーンコミュニティーカレッジに進学を決めました。

 

▽アメリカに進学する以前に海外に行った経験はありますか?

 旅行として海外に行った経験が沢山あります。家族と韓国旅行に行ったり、ドイツ人の知り合いを訪問したり、親戚がカナダに転勤した際にはカナダに行ったりしました。高校1年生の夏には、知り合いの紹介でアメリカのペンシルベニア州に行き、ホームステイを経験しました。田舎だった為、ホストファミリーの子供たちと一緒に牛の乳しぼりをしたり、鶏の卵を集めたりしました。このホームステイ経験は貴重な機会となり、その後の私の海外経験や目標に影響しています。

 

▽現在はどのゼミに所属されていますか?

 現在青柳ゼミに所属しています。元々竹尾先生のゼミに所属していましたが、竹尾先生が退職された為、後任である青柳先生のゼミに所属する事にしました。

 

▽明治学院大学国際学部国際学科に編入し、竹尾ゼミに所属することを決めた理由は何ですか?

 私は3年生として編入した為、編入の手続きや資料の確認に追われている中、ゼミの所属を決めなけれないけなくなりました。自分から教授に連絡を取ったのですが、何人かの教授からは、すでに満員との事で断られてしまいました。しかし、竹尾ゼミは人数に空きがあり、たまたま縁があって、竹尾ゼミに所属することになりました。竹尾ゼミで勉強していく中で様々な本や映画から日本社会を読み解き、日本について考えることができました。また、西洋文化がどのように日本に入ってきたのか、日本人の宗教観など、比較文化という今までになかった視点を得ることができ、とても興味深い勉強をする事ができました。

 

▽興味のある分野や卒業論文のテーマなど、決まっていたら教えていただきたいです。

 興味のあるテーマはジェンダー関連の課題、女性の課題です。昨年のゼミでは、女性の社会進出や日本の女性の働き方の変化に関するテーマで卒業論文を書いていこうと考えていました。私が国際貢献インターンシップとして派遣されたモンゴルでは、女性の大学進学率が男性より高いということを知りました。私は、折角モンゴルで活動してきたからには、現地での学びをフィールドスタディーとして使いたいと考えるようになりました。現時点での卒業論文の仮のテーマは「現代モンゴルの都市部における家族の文化的な意味と社会的な構成に関する一考察」とし、「家族」について読み解くことで社会を紐解ければと考えています。

 

お話の中にも出てきた国際貢献インターンシップの国連ユースボランティアプログラムに採用され、モンゴルに派遣されたお話を伺っていきたいと思います。

 

▽なぜ交換留学ではなく、国際貢献インターンシップのプログラムを選択したのですか?

 友人がインターンシップの科目を履修しており、その授業に参加してみた際に、国連の国際貢献インターンシップの説明を聞きました。以前から、国際機関や海外で働くことに関心があったので、このプログラムにとても興味を持ちました。後日その話を竹尾先生にしたところ、その国際貢献インターンシップのプログラムを立ち上げたのが竹尾先生と田中先生だった事を知りました。竹尾先生の勧めもあり、このプログラムに参加することを決めました。

 

▽モンゴルの国連事務所ではどのような活動や業務内容に関わっていたのですか?

 私が派遣されたモンゴルの国連常駐官事務所でのポジションは、広報活動のアシスタントでした。私の直属の上司の担当は、国連モンゴルの活動内容を文章に起こし、ウェブサイトに載せること、国連のトップの方がスピーチをする際の原稿を作ること、イベントの企画や準備、他の機関との連携を取ること等でした。私はこうした仕事のサポートをし、学生ボランティアとして活動していました。SNSのアカウントにて様々な情報を掲載したり、ウェブサイトから国際デーの情報を引用し、モンゴルの社会と関連する情報を選び、モンゴルのSNSユーザーに語りかけられるようなメッセージを英語で考えたり、ポスターを作成したりしていました。そのほかにもウェブサイト管理のサポート、会議のコーディネートなどの仕事を担当していました。また、学生のボランティア活動を啓発するためのオンラインイベントのサポートを通じて、現地の若者と関わっていました。

 

 

↑モンゴルの写真

 

▽派遣された期間を教えてください。

 私は2022年9月から2023年2月まで、5か月間派遣されました。

 

▽活動を通してどのような学びが得られましたか?

 国際機関で実際に働く職員の方々と関わり、一緒に仕事をするという経験はとても貴重な体験でした。以前から国際機関や海外で働くことに興味があった為、実践から国連機関について学ぶことができるだけでなく、自分のスキルや実力を試すこともでき、とても有意義な5ヶ月間となりました。

 モンゴルに派遣される前にも国連の活動内容を調べていましたが、実際にモンゴル社会についてやモンゴル社会が抱える課題、国連がその問題に対してどのようにアプローチしているかについて、派遣され仕事をしていく中で沢山の事を学ぶことができました。一方で、デスクワークでの業務が大半だった為、この活動が本当に助けを必要としている人たちに届いているのかなど疑問も生まれました。 

 

▽辛かった経験などはありますか?

 一番辛かったのはモンゴルの寒さです。9月末に渡航し、モンゴルに到着した時にはみぞれが降っていて驚きました。滞在期間が冬だった為、常に寒く、11月頃からは毎日気温がマイナス10度以下でした。一番寒かった時期はマイナス30〜40度くらいでした。しかし、家の中は25度くらいで半袖でも過ごせる温度だったので快適でしたが、室内外の気温差が約50度もあり大変でした。

 もう一つは、モンゴル語を話すことができなかったので、コミュニケーションの際に苦労したことです。オフィスでも、業務は英語でしたが、日常会話はモンゴル語が話されており、肩身の狭い思いをすることもありました。しかし、徐々にモンゴル語の単語を覚え、最終的にはタクシーの運転手に家までの道のりなど行き先を伝えることができるようになりました。

 

▽モンゴル現地ではあまり英語は通じないのですか?

 国連機関で働いている方々は流暢な英語を話し、仕事も英語で行われていました。しかし、現地スタッフ同士の日常会話や伝言がモンゴル語だったり、スーパーや現地のお店に行くと英語が通じないことがありました。言語が通じない事や分からないことでコミュニケーションに苦戦し、精神的に辛い時がありました。徐々に単語や挨拶を覚え、この悩みは克服することができたと思います。

 

↑モンゴルの写真

 

▽英語の勉強方法のコツや今までどのように英語を学習してきたのか、教えてください。

 幼少期から英語や海外に興味があり、自分とは異なる価値観や文化、言語について知りたい、勉強したいという漠然とした思いがありました。中学生の時、近所に住んでいたアメリカ人の方に先生になってもらい、英語のレッスンを受けていました。そこでは、文法を中心的に学ぶのではなく、アウトプットをメインとする内容を学びました。拙い英語でもコミュニケーションを取ろうと努力する大切さを学びました。また、洋楽が好きだった為、好きなアーティストの曲の英語の歌詞を紙に書くことで、自然な英語の表現を知ることができました。

 高校では外国語コースのある学校に進学し、英語で書かれた英語の文法書などを使い、さらに英語を理解できるようになっていきました。高校卒業後にアメリカに進学しようと決めた際には、IELTSの勉強をしました。

 言語を学ぶ上で一番効果的なのは、日常生活に学習言語を取り入れることだと思います。私の場合、英語のYouTubeを視聴すること、英語で本を読むこと、独り言を全て英語にすることなどを取り入れていました。

 

▽あなたにとっての国際学部を教えてください。

 私にとっての国際学部は、色々な新しい事にチャレンジができる場所です。また、現代社会が抱えている課題を自分の事として捉え、自分は何ができるのかについて考えるきっかけをくれる場所でもあります。

 

▽在学生にメッセージをお願いします。

 自分がやってみたい事、興味のある事に挑戦し、関心のある事は深堀していった方が良いと思います。今の時点では分かっていなくても、行動してみる事で新しい発見があると思うので、恐れずにチャレンジしてみる事が大切だと思います。新しい場所に自ら行き、新しい事に挑戦する姿勢を持ち続ける事で何かが見えてくると思います。

 

〇遠藤花南

2019年3月 都立小平高等学校(普通科外国語コース)卒業

2019年4月 Lane Community College(アメリカ オレゴン州)入学

2020年12月 Lane Community College 卒業

2021年4月 明治学院大学国際学部国際学科編入

(2024年3月明学国際学科卒業見込み)