取材日:2024/07/11

 

今回は本学のグローバルキャリアインターンシップ(海外企業でのインターンシップ活動を行い、世界レベルのビジネスに対する理解を深める留学プログラ ム)であるUCR Disney インターンシップに参加した内山あかりさんにインタビューしました。

 

▽明治学院大学国際学部に入学した理由を教えてください。

 私は大学進学について考えていた際、外国から見た日本を学びたいという気持ちが強かったため、国際学部や国際日本学部という学部を中心に見ていました。国際系の学部がある大学の中でも明治学院大学を選んだ一番大きな理由は、Disneyのインターンシッププログラムがあったからです。高校生の頃からこのプログラムに参加したいという気持ちが強く、大学在学中に必ず参加しようと心に決めていました。

 

▽なぜDisneyインターンシッププログラムに興味を持つようになりましたか?

 私はディズニーファンで、ディズニーパークに行くことが好きです。ディズニーパーク内には様々な小ネタがあります。例えば、様々な年代のアメリカの街並みをそのまま使った場所がパーク内にあり、歴史的な知識がないと理解できないと感じました。そこから大学に入学して世界の歴史や知識を学んでみようと思い、さらにディズニーが大学生向けに提供しているカレッジプログラムに興味を持ち始めました。英語は得意科目でしたが、ディズニーのインターンシップを通して英語力も伸ばせそうだと感じたこともインターンシッププログラムに興味を持った理由の一つです。

 

▽大学入学以降、頑張っていたことはありますか?

 私は2021年に入学したため、コロナウイルスがまだ流行している最中でした。そのため、留学に行くことができるか分からず、もし行くことが出来なかった場合を考え、多文化共生ファシリテーターの認証を取得しました。

 

多文化共生ファシリテーターとは:多文化共生ファシリテーターとは | 明治学院大学 内なる国際化 (internal-i18n-meijigakuin.org)

 

 入学後に授業を履修していく中で、明治学院大学国際学部の勉強で何に一番興味を持っているか考えた際に、多文化共生入門の授業内容がきっかけで日本社会にいるマイノリティの人たちに興味を持つようになりました。日本語を教えるボランティアに参加したり、親族が行っている多文化共生社会の講演会に参加したりしました。折角なら明治学院大学が進める内なる国際化プロジェクトの一つである多文化共生ファシリテータ―に認証してもらおうと決め、基準となる単位を満たし、留学前に認証してもらうことができました。

 

 

▽UCR Disney インターンシッププログラムの概要を教えてください。

 明治学院大学のディズニーインターンシッププログラムは、 前半の3ヶ月はカリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)で言語を中心に文法やアカデミックなレポートの書き方などを学びました。また、ディズニープログラムに参加する人限定でホスピタリティやツーリズムに関する授業を受けてきました。クラスにはクウェートや中国出身の人がいました。

 その後、4か月目になる1月後半にカリフォルニア州からフロリダ州に引っ越し、そこからは怒涛の日々でした。私は6か月の間に2つの職を経験しました。インターンシップの職種の中でも、アトラクション担当、お土産屋さん担当、レストラン担当など様々あり、面接の時点で職種希望を出し、実習が始まる前までには職場が決まっていました。私は前半はアトラクション担当、後半は食べ物屋さん担当でした。

 シフトは1週間単位で毎週日曜日に発表され、週5日6~12時間のシフトでした。始業時間は職場によって違い、友人は朝シフトが多く、朝5時に起きないと間に合わないという状況でした。それに対し、私は前半はアトラクション担当で夕方からの締め作業が多かったため、始業時間は遅かったです。 また、ギビングやピッキングアップと言って、職場の人同士でシフトを交換したり、シフトを増やしたり、自分たちでアプリを使ってシフト交換ができるため、休みを多くとりたい場合や沢山稼ぎたい場合にはシフトが柔軟で働きやすいと思います。

 

 

▽Disneyでのインターンシップを終えて、印象に残っていることや大変だったことがあれば教えてください。

 大変だったことは言語の壁です。私は英語を沢山使うだろうと思い、インターンシップを始めましたが、フロリダはアメリカの中でも南に位置しているため、英語を第一言語としない人が多く、半数のゲストがスペイン語やポルトガル語を話す方でした。英語を話せる方もいましたが、全く英語を話すこともできない方も多くいました。同じ職場の同僚とは英語で会話をしていましたが、ゲストの対応をする際にはスペイン語やポルトガル語を話すことができる同僚に助けを求めていました。

 印象に残っていることは、職場に慣れてきて心に余裕が出てきて、ゲストと雑談ができた時やゲストにお菓子やステッカーなどのプレゼントをもらった時です。とても嬉しく心が温かくなったことを覚えています。また、スペイン語が第一言語で英語を話すことができないおばあさんが車椅子のゲストとしてアトラクションのボートに乗る際にサポートしたことが印象に残っています。そのおばあさんは最初、「私はスペイン語しか話せませんよ。」というような態度でしたが、色々とお手伝いをした後に優しくハグをしてくれました。このようなゲストとの交流が一番印象に残っています。

 

▽アメリカと日本のディズニーの違いを教えてください。

 アメリカのディズニーは日本と比べて多様性があり、さらにそれに対する様々なシステムが充実していると感じました。例えば、フロリダのパーク内にはEBCという三輪車やバイクのような移動できる乗り物を貸し出していました。松葉杖を使っている人もEBCに乗れば素早く移動することができ、さらにそのままアトラクションの中に入ることができます。また、車椅子を使っている方専用のボートなどもあります。その他にもDisability access pass(ディサビリティーアクセスパス/DAS)というサービスがあり、体が不自由な人に向けて全てのアトラクションに並ばずにアクセスできるというシステムもあります。

 

▽職場にはどのような国籍の人が多かったですか?

 色んな国籍のメンバーがいました。アメリカ人と一口に言っても色々な人種やバックグラウンドを持った人が沢山います。他には中東出身、スペイン語圏出身など様々な国籍のメンバーがいました。そのため、お互いの言語を教え合う楽しみがあり、自然と打ち解けることができました。本当に良いメンバーと環境に恵まれました。

 

 

▽留学中は国内外を観光しましたか?

 前半のカリフォルニアにいた時は割と時間があったため、ロサンゼルスを観光しました。私はハリウッドやサンタモニカ、カリフォルニアディズニーに行きました。フロリダのディズニーでインターンシップが始まってからはディズニーワールドからほぼ外出しなかったです。

 

 

▽滞在先はどのような場所でしたか?

 カリフォルニアの時はUCRのInternational Village(インターナショナルビレッジ)という寮に住んでいました。キャンパスから10~15分ほどでとても近い場所にありました。フロリダに移動してからは、カレッジプログラム生向けの寮に住んでいました。私は専用のベッドルームがあり、バスルームとトイレは共有で使っていました。寮の家賃はお給料から天引きされる仕組みでした。

 カリフォルニアに滞在していた時は、カリフォルニアに住んでいるいう感覚が強かったです。 カリフォルニアにはホームレスが多いため、 治安が悪く、夜は出歩かない方がいいと言われており、危機感を持って生活していました。 一方、フロリダではディズニーリゾート内に寮があったため、フロリダ州に住んだというよりもディズニーエリアに住んでいたという感覚が強かったです。

 

 

▽あなたにとって国際学部とは何ですか?

 私はディズニーパークの歴史を知りたいという興味から、国際学部に興味を持ち、入学しました。ディズニーパークが誕生した背景には、その時代の歴史や社会の状況、戦争の影響などが深く関わっています。こうした背景から生まれる文化や芸術作品がどのように形成されたのかを学ぶことができる授業は、単なるトリビアとしての知識ではなく、学問として深く掘り下げることができると知りました。例えば、ディズニーの歴史をオタクトリビアとして知るだけでなく、それを歴史や社会状況と結びつけて学問として探求することができることに感動しました。これを通じて、私が知りたかったことが学問として体系的に学べることに気づきました。学問を通じて、単なる趣味や興味がより深い理解と知識に繋がることに感銘を受け、これからもこうした学びを続けていきたいと考えています。

 

 

▽読者にメッセージをお願いします。

 私は「挑戦し続けましょう。」、「 前に進み続けましょう。」みたいなことを言われてしまうと、 かなり疲れてしまうので、 止まってみても全然良いと思います。立ち止まるときはすごい罪悪感や皆に遅れをとっているように感じることがあるかもしれません。私は流れに身を任せるタイプなので、明治学院大学に入る前に一浪して、ディズニーのインターンシッププログラムに参加したのも3年生から4年生にかけてというギリギリのタイミングでした。1回1回全てを頑張らなくても良いと思いますが、諦めず、無理をせず、少しずつ目指していけば色んなきっかけに出会うことができると思います。自分のペースで進んでいってほしいです。

 

〇内山あかり

神奈川県立鎌倉高校出身

2021年明治学院大学国際学部国際学科入学

2023年10月〜2024年6月、アメリカにインターンシップ留学