▽韓国の学生との交流
K.K.:私たちは、ゼミで「慰安婦」問題について勉強してきたけど、韓国の学生と「日韓問題」とかについて話す機会があったよね。何か、印象的だった話し合いとかある?
私は、<日本の教科書>について話した時に、「少なくとも私は、植民地支配について詳しく学ぶ機会はなかったけど、原爆とか空襲とかについては結構詳しく学んだ。」って伝えたら、韓国の学生さんが驚いてた事が印象的だったな。参加してた学生は、日本で原爆とかの歴史を詳しく学んでいるとは思ってなかったみたいで。だからこそ、「記憶したい歴史」が国によって違うんだなって、改めて気付かされたんだ。
A.T.:私もK.K.さんと同じグループで、韓国の学生と<教科書問題>について話したね。一番印象に残ってる話は、私たちが「日本の教科書には『慰安婦』の事が全く載ってない時代があったし、今もしっかりと学ぶ機会は少ないから、どんな教科書が日本に必要か?」って聞いた事かな。
韓国の学生たちは、「『日本政府』にとって都合のいい事しか載せていないのが良くないと考える。この状況は、日本政府が「慰安婦」問題を日本や韓国の問題として考えていて、女性の人権の問題とか、広い視点で考えていないからだ。」って言ってたんだよね。彼らと話してて、彼らは「慰安婦」問題を広い視野で考えて、その考えに基づいた信念を曲げずに活動してるんだなって強く感じたな。
M.Y.:私たちは、<フェミニズムに対してどう思ってるか>みたいな事を話したんだ。その話の中で、韓国の学生から「日本の学生はなんで政治に興味ないの?自分たちの住んでる国に興味ない事は、恥ずかしい事だと思う。」って言われて、すごくハッとした。今まで、私1人の意見なんて、ってずっと思ってたし、韓国の学生は運動とかしてて凄いな、って他人事のように感じてたんだ。だけど、私も彼女達みたいに自分の住んでる国を良くしたい!っていう気持ちで、政治に参加していかないといけないなって気付いたんだ。
K.M.:私たちは、<日本のメディアと韓国のメディアの報道>について話したよ。彼らと意見を交わす事で、国内の中でも様々な意見がある事が改めて分かったから、「国代表の意見」なんてないんだなって思った。それから、韓国内でも昔は、「慰安婦」問題の被害者を責める雰囲気があったけど、最近は、男性中心の考え方を見直す活動が増えてきている事も教えてくれたんだ。だから、韓国は日本に比べて、フェミニズムへの関心が高いなって感じた。
N.K.:私は、<私たちが望む未来><日本と韓国の若者は人権のためにどうしたらいか><ジェンダー>について話したよ。
<私たちが望む未来>では、日韓が互いに脅威をもたない事や、歴史を学ぶ事が挙げられたな。その中で、日韓の対立の原因が、教育やメディアとなっているから、共通の教科書を作るべきだっていうアイディアが出たよ。
<日本と韓国の若者は人権のためにどうしたらいか>では、日本も韓国も共通して、人権を重視してる人たちが「世間知らずな人」として見られるような世の中の雰囲気が存在しているって事が分かった。
それで、<ジェンダー>では、韓国では、江南での事件をきっかけに、フェミニズムは「話してもいいテーマ」になった事を教えてもらったんだ。それをきっかけに、メディアでも友人との会話の中でも、フェミニズムの話題は上がるようになったし、女性が主人公の映画も出るようになって、それが売れている社会へと変わったんだって。フェミニズム運動によって男女の分断が深まっているけど、これは「男性嫌悪の問題」ではなく、「人権の問題」であるっていう事を強調してた事が印象的だったな。
話してる中で、韓国人学生からも日本人学生からも、日韓を対立させて考えるんじゃなくて、これからの社会で人権が大切にされていくように、私たちが協力できたらっていう姿勢を感じたかな。特に戦時性暴力は普遍的な問題だから、人権の問題としても大切に向き合っていきたいって考えさせられたな。
M.I.:私たちは、<平和の少女像についてどう思ってるか><なぜ『慰安婦』問題についての活動に参加しているのか、活動にどのような意味を持っていてるのか>という話をしたよ。
話す前の私たちは、韓国の学生は、平和の少女像に対して「反日」的な考え方を持っているのかなって思ってたの。けど、実際に話したら、彼らは私たちの予想とは全く別の考え方を持っていて、「平和の少女像は、『反日』の象徴ではなく『平和』を表した像で、自分たちは『女性の人権』のために声をあげている。」って教えてくれたんだ。そういう話を生の声で聞く事によって、自分の考えていた事とのギャップを感じて、日本のメディアは、韓国の方が「反日」感情の下、日本を敵視の目で見ているかのように報道するけど、実際はそうじゃないって事が分かったんだ。その報道と実際の声とのアンバランスさや、自分が考えていた事の幼稚さに気付かされた。
それから、韓国の学生は「慰安婦」問題についての活動には、誰かが出てるから無理やり参加している感じではなくて、自主的に考えて参加してるって話してたのね。彼らは、私たちと同世代なのに、こんなに政治に対して興味や関心を持って、発言できるっていう事に、日本の大学生との違いを感じて圧倒されたんだ。でもそれと共に、自分たちも彼らのように、きちんと考えて行動できるようにならなければいけないなって思った。
とにかく、皆私たちよりも日韓関係に興味を持って、それを決して「悪い関係」だと決めつけずに、公平な視点を持って話してくれ事がすごく嬉しかったな。日本でニュースなどでは「韓国はいつまでも一方的に引きずってる!」というように、まるで韓国が変な事を主張しているように捉えられてしまう報道をしているよね。だから、そういうところをもっと改善していかないと、いつまでも日本人は「『慰安婦』問題は、日韓の問題だけでなく、女性の人権問題である」と、捉えられるようにならないのではと思ったな。