▽水曜デモ

 

K.K.:その後は、日本軍「慰安婦」問題に対する、「水曜デモ」っていうデモに参加したね。デモの参加者の年齢層は結構若くて、歌ったり踊ったりする、明るい感じの雰囲気だったかな。そこでK.M.さんと学生Aさんがスピーチをしてくださったよね。

 

ライター:どんなスピーチをしたの?

 

M.K.:この日までに行った資料館で感じた事、初めて平和の少女像見て思った事、韓国の学生と交流した事とか。校外学習を通して感じた事を中心に、私が日本語でスピーチをして、学生Aさんがそれを韓国語に翻訳してくれたんだ。

スピーチする前は、私はデモに参加する事が初めてだったし、まして日本人の私がスピーチをして、どういう反応されるのかなーって、結構怖かったんだ。でも、実際は、皆さんすごく暖かく迎え入れてくれて、安心したし嬉しかったな。

 

K.K.:うん、本当にK.M.さんたちのスピーチはすごかった。K.M.さんのスピーチを受け入れてくださったように、デモ全体が明るくて優しい雰囲気だったことは間違いないんだけど…。んー、私はこの水曜デモが、校外実習の中で一番悩んだ時間かも。

 

ライター:どうして?

 

K.K.:自分の日本人としてのナショナル・アイデンティティと戦った時と言うか…。私は Google 翻訳で彼らが何を話ししてるのかを見ていたんだけど、「일본(韓国語で『日本』)」っていう言葉が、何度も何度も出てきたんだ。

彼らがデモで訴えているのは、日本政府や旧日本軍である事も、「反戦」や「戦争責任」などの普遍的な価値観に基づいて、デモを行なっている事も、もちろん頭では理解してるつもりだったんだ。それにも関わらず、なぜか自分の中ではモヤモヤしてしまう気持ちがあって…。その「なぜモヤモヤしてしまうのか?」「なぜナショナル・アイデンティティが、普遍的な事を考える際に、邪魔をしてしまうのか?」とかを、しっかりと考えなくちゃいけないんだろうな、っていう風に考えたんだ。だから、この一週間の中で一番悩んでいた時間かもしれない。

 

M.K.:私もこのデモは「戦時性暴力」に対する訴えが強いのかなって思ってたんだけど、日本大使館前でやってるって言うのもあって、日本政府への謝罪の要求とか、日本の歴史教育に対する訴えとかが多かったから驚いたな。私も日本人としてのナショナル・アイデンティティがあるから、やっぱり複雑だったって言うか、一番悩んだかな。

スピーチをする時も、どういう立場から話さなくちゃいけないのかな、これで合ってるのかなっていうのは、すごく悩んだから、K.K.さんが言ってる意味は私もすごく分かるし、きっと多くのゼミ生が、同じように悩んだんじゃないかな?