▽学部生の頃の様子を教えてください。
 私はインドのムンバイ大学に通っていました。インドの大学制度は日本とは大きく違い、学部生をcollege、マスターをuniversityと言います。また、所属年数もcollegeは3年で、universityが2年です。
学部生時代の私は、あまり勉強していませんでした(笑)社会学や経済学、経営学にはあまり興味がなく、言語学や外国語に興味を持っていたため、フランス語を勉強し、専門にしたいと思っていました。しかし、私のcollegeではフランス語は2年しか勉強できず、専門にはできませんでした。ですが、どうしても言語学を専門にしたかったので、英文学を専門にし、新聞記者を目指しました。ちなみに、当時のインドではドイツ語を専門にする事が流行っていたので、私は「ドイツ語は絶対に選ばないぞ。」と思って、プライベートで日本語を勉強始めました(笑)
先ほど、言語学を専門にしたかったとお話したのですが、経済学者の母に強く押され、結局経済学で卒業する事になりました。この時もまだ、修士まで行きたくない、言語を勉強し続けて新聞記者になりたいと思っていました。ですが、先生から強く言われて、経済学でマスターに進むことになりました。つまり、マスターの頃まで言葉の勉強が好きで、特別経済学に興味は持っているわけではありませんでした(笑)
 マスターが終わって、PhDのプロポーザルをムンバイ大学で出した後、インドのシステム上入学まで10か月程度あるので、その間に良い就職先を見つけて、ファーストジョブとして日本に来ました。当時の仕事は研究とは全く関係なく、インドなどで作った宝石を集め日本に輸出販売する宝石会社で、マーケティングや輸出入などについて管理するバックオフィスの仕事をしていました。
このように、1年間日本で仕事をして、帰国してPhDを4年間勉強しました。その後、Post Docで再来日し、一橋大学に入りました。学部生の頃の日本語の学習やファーストジョブの経験が、日本の大学に来て役に立ちました。
 一橋大学に来た当時もまだ研究者になりたかったわけではありませんでした。ではなぜ一橋大学に来たかと言うと、PhD卒業後の進路で様々な就職先を探し、研究者や一般企業にも応募していた中の1つが一橋大学だったからです。

 

▽学部生の間に読むべきオススメの1冊は何ですか?
 1冊を選ぶ事は難しいですね(笑)例えば、私が日本に来てPost Docの研究で社会的企業について研究していた時は、バングラデシュのグラミンバンクについて書かれたMuhammad Yunusの『Banker to the Poor』(Blackstone Pub、2007)という本を読んでしました。
ですが、学生には、例えばある社会的な問題に対して起業家の考え、起業家がなぜ起業し、どのような難題に直面し、課題解決し、企業として成功したのかについて書かれているような、ストーリー性のある本を読む事をおすすめします。

(取材日:2020/09/03)

 

〇Prajakta KHARE(プラジャクタ・カレ)国際キャリア学科准教授
中小企業産業集積論、イノベーションとアントレプレナーシップ、社会的企業論。
ムンバイ大学経済学部卒業後、ムンバイ大学大学院経済学研究科修士課程修了後、ムンバイ大学大学院経済学研究科博士課程修了。一橋大学イノベーション研究センターなどを経て、2019年に明治学院大学国際学部国際キャリア学科に着任。
著書に、“Social Entrepreneurship in India: Models and Application” in Social Enterprise in Asia: Theory, Models and Practice edited by Eric Bidet and Jacques Defourny, Routledge. June 2019. (co-author Anirudh Agrawal) や、“Systems approach to map determinants of social enterprise’s impact: Case from India” in Journal of Social Entrepreneurship Volume 9, Issue 1, 2018, pp. 31-51 (co-author Kanchan Joshi). 、「インドの裸足大学:社会企業におけるケースノート」関西学院大学国際学部研究会『国際学研究』第5巻1号(2016), 129-138. など。