↑留学中フランス代表の試合を現地の留学生同士で見に行った写真

 

取材日:2023/08/11

 

▽なぜ明治学院大学国際学部に入学しようと思ったのですか?

 進路を決める際、私はどの大学に進学したいか決められずにいました。しかし、祖父の勧めで明治学院大学を知ることになり、調べていくうちに大学の魅力に惹かれて、入学試験を受けることを決意しました。

 また、大学入学前から留学に対する興味が私の中にあったため、明治学院大学の国際的な活動が盛んに行われる充実した環境が私の決断に大きな影響を与えました。特に多くの留学先の協定校を持っていることや留学生とのバディー制度などが私の大学選びの決め手となりました。

 

▽大学時代はどのような活動をしていましたか?

 私は大学時代、バディー制度を活用してカリフォルニア大学からの留学生と一緒に多様な活動に参加しました。また、明治学院大学国際学生寮「MISH」には数多くの留学生が住んでおり、彼らとの交流も盛んでした。日々の会話やゲーム、パーティーなどを通じて交流を深めました。さらに、大学3年生の夏頃からフランスのエクス=アン=プロヴァンス政治学院に1年間の長期留学をしました。

 

▽留学に行こうと思ったきっかけ、またなぜフランス留学に行くことを決めたのか、理由を教えてください。

 私にとって留学の1番の理由はフランス語の再習得です。私は小学4年生から中学2年生までフランスで過ごした経験があります。当時、私は現地の学校に通い、フランス語と英語で授業を受けていました。しかし、日本に帰国後、フランス語を使用する機会がなくなり、徐々に忘れていってしまう感覚がありました。このままでは惜しいと思い、フランスに留学し、現地で授業を履修して勉強をすれば言語力を取り戻すことができると考え、フランスに留学に行くことを決めました。

 

↑留学中の写真

 

▽留学先の授業では何語を使用していましたか?

 私の場合、英語は一切使用せず、授業はすべてフランス語で行われていました。政治の科目を受講していたため、英語や日本語でも難解な内容をフランス語で学ぶこととなりました。フランスの教育制度では、政治家としての道を志す場合、フランス国内に存在する政治学院である「グランゼコール」で学ぶことが一般的です。明治学院大学はこのような政治学院と提携しており、優れた大学との留学提携を結んでいるため、そのような大学への留学を経験することができて良かったです。

 

▽留学生活で楽しかったことや思い出に残っていることは何ですか?

 私はフランスに留学していましたが、フランス人だけではなく、EU、カナダ、アメリカなど様々な国の留学生と関わりを持てたことが思い出に残っています。日本国内の大学で勉強する場合、日本に留学に来ている学生は沢山いますが、交流の機会は少ないと思います。しかし、留学に行くと現地の学生とも勿論仲良くなれますが、留学生同士で留学をしているという共通の経験を持つことで特別な絆が生まれ、楽しかったです。私は留学先で学生寮に住み、夜に共有キッチンでお酒を持ち寄ったり料理を作ったりして、一緒に会話を楽しみました。また、エクサンプロバンスで皆と山に登ったり、一緒にパリやリオンに行ったりするなど、楽しい思い出がたくさんあります。

 

▽大学を卒業後どのような仕事を経験しましたか?

 私は大学を卒業後、新卒で株式会社JTBに入社しました。当初は航空会社や商社、物流関連の企業も視野に入れて就職活動を進めていましたが、旅行業界に興味を抱くようになり、訪日外国人旅行客を対象とする業務を担当するJTBグローバルマーケティング&トラベルに2016年4月に入社しました。

 就職活動時には、元々旅行会社に興味を持っていたわけではありませんでした。しかし、偶然参加した合同企業説明会でJTBの説明を聞く機会がありました。最後に数社見てから帰ろうと考えていたところで、JTBが訪日外国人観光客を対象としていることを知りました。これまでフランスで幼少期を過ごしたり、留学を経験し、日本についてあまり知識のない人々と多く接してきました。侍や忍者がまだ存在すると信じている人々にも出会ったことがあります。そのため、日本についてより多くの人々に理解してもらいたいという思いが芽生えました。このような経緯からJTBに入社し、欧州課に配属され、フランスとスイス市場の営業を担当することになりました。

 私が入社した当時のフランス市場では価格競争が激しく、日本は比較的手ごろな価格で旅行できる場所として位置づけられていました。私はなるべく利益を出したいという意欲を持っていたため、価格設定に関して交渉を行いながら取り組みました。日本を訪れる際、宿泊や食事、交通機関、ガイドなど、すべての要素を自分で決定し手配しますが、その過程で年間を通じて一定の人数を確保できるという点を強調し、例えば仕入れ価格を1500円から1200円に引き下げるよう交渉を行いました。たとえ300円の差でも、最終的な利益には大きな影響があります。このようなアプローチで業務に取り組み、結果として売上高を課内トップの成績を収めることができました。

 

↑JTB勤務写真

 

JTBから転職し、現在は楽天に勤務をしている北野さん。

 

▽転職をした経緯を教えてください。

 私は2020年9月に楽天へ転職をしました。この転職の背景には、主に新型コロナウイルスの影響がありました。特に旅行業界はその影響を大きく受け、私が担当していた海外のお客様に関しても入国が難しい状況となりました。2020年の東京オリンピックに向けて多くの準備を進めていましたが、そのほとんどがキャンセルとなったり、平日のうち4日間が休業日となるような状況が生まれました。

 このような中で、私は新型コロナウイルスの影響が長引くとの予感を抱き、3年や4年という時間を無駄に過ごすわけにはいかないと考え、転職を決意しました。

 

▽楽天ではどのような業務を担当していますか?

 私は現在楽天ネイションズ課に所属しています。ネイションズとは、お申し込みをいただいた店舗様に売上を上げる方法を教えるコーチングをすることです。店舗様が目標を達成できるようにするためにサポートをしています。

 

↑楽天勤務写真

 

▽仕事の魅力的な面と大変な面は何ですか?

 魅力的な面は、自分自身も学ぶ機会が豊富であるということです。楽天市場に出店している店舗は、ファッション、電化製品、インテリアなど、多岐にわたる商材を取り扱っています。これらの売上を伸ばすための方法は、例えばファッションと電化製品の店舗では異なります。また、同じファッションだとしてもメンズファッションとウィメンズファッションでアプローチが異なります。自身が提案を行うことや成功店舗との話し合いを通じて、売上向上の秘訣を学ぶ機会が沢山あり、成功している店舗からの話を聞くと、経営者の方の視座が非常に高く、将来のキャリアパスに参考になります。

 また、関わった店舗の売上が上昇し、感謝していただけることで、この仕事を選んで良かったと実感できます。新型コロナウイルスが明けてきたため、取引先との食事や交流で様々な話をする時間が楽しいです。

 一方で、強いて大変な面として挙げられるのは、複数の仕事を同時に進行する必要があることです。私自身担当している店舗が約360店舗あり、各店舗の進捗を追いながら次の提案を考え、期限内に目標を達成するために管理を進めていきます。一見大変に思えますが、このような状況でも適切なマインドセットを持つことで、この状況を楽しむことができます。

 

▽社会人になるための覚悟とは何だと思いますか?

 まず、自分の考え方次第で物事の見方が180度変わると思います。社会人になるとこれまでとは異なる生活の側面が多くなります。自分の行動に責任が伴い、給与が得られ、労働に対価が支払われます。困難や苦痛に直面した際、その局面をどう楽しむか、どのように乗り越えるかというマインドセットを早い段階から養うことが重要だと考えます。

 次に、自発的な行動が重要です。自身が多忙な時に先輩から「誰かこの仕事をやってくれる人いないか」と声を掛けられる状況が生じるかもしれません。こうした場面で、率先して仕事を引き受けに行く姿勢が大切だと思います。この積極性が、最終的には自己成長につながります。また、自分が学んだり、培ってきた経験を後輩たちにも伝えることも重要です。

 

▽あなたにとって国際学部とは?

 私にとって国際学部は、多くの人々と交流する機会が豊富にあり、さまざまな可能性が広がっている場所です。バディ制度やボランティア活動、留学など、多様な活動を通じて様々な人々と関わり、そのつながりを通して自分とは異なる経験を積んだ人々に出会い、知識を拡充できる素晴らしい場所だと思います。ただ、そこに至るまでの自分の振る舞いも大切だと思います。自分の殻に閉じこもらず、新たな可能性を模索し、手に入れた機会を最大限に活かすように心がけてほしいです。

 

▽在学生や読者にメッセージをお願いします。

 私が一番強調したいことは、自分の気持ちの持ちようと能動的な行動が大切だということです。受け身になってしまうと、自分自身の可能性を狭めてしまう可能性があります。だからこそ、自分がやりたいことがあるなら、積極的にチャレンジしてほしいです。失敗することは決して悪いことではありませんし、逆に成長の機会です。年を重ねるごとに、失敗を恐れてしまうことが増えてしまうため、若いうちから様々なことに挑戦し、失敗から学び、その経験を共有できる人々になってほしいです。自ら積極的にチャレンジし、困難な状況に直面した際でも、その経験を楽しめるようなマインドセットを持ち続けてほしいです。今の段階からその心構えを養ってほしいと思います。

 

〇北野 佑樹

2011年国際基督教大学高等学校卒業後、2012年に明治学院大学国際学部国際学科に入学。

学生時代に、L’Institut d’études politiques d’Aix-en-Provenceに留学。

大学卒業後、2016年に株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベルに入社。

その後、2020年9月に楽天グループ株式会社に転職。

現在に至る。